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商願2011-32441拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由1 本願商標 本願商標は,別掲のとおりからなり,第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成23年5月12日に登録出願されたものである。 そして,指定商品については,当審における同24年5月28日付けの手続補正書により,第30類「米粉及び米粉含有の粉類」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由 原査定は,「本願商標は,その構成中『パウダー』の文字は『粉』を,『ライス』の文字は『米』を意味することから,全体として『米の粉,即ち米粉』の意味合いを有する。そして,食品を取り扱う業界において,米粉を使用した商品が一般に製造,販売されている実情があり,そうとすれば,本願商標をその指定商品中『米粉,米粉を使用した菓子及びパン』等,『米粉及び米粉を使用した商品』に使用しても,単に商品の品質,原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は,別掲のとおり,「パウダーライス」の片仮名を青色で表してなるところ,その構成中,前半の「パウダー」の文字部分が「粉。粉末。」の意味を,後半の「ライス」の文字部分が「米,米を炊いたもの。御飯。」の意味を有する語である(いずれも広辞苑第六版)ことから,これらを一連に表した本願商標からは,「粉末の米」程の意味合いを理解させる場合があるとしても,これが直ちに「米粉」を表したものと認識させるとはいい難いところである。 また,当審において調査したところ,「パウダーライス」の文字が,請求人が自己の商品を表示するものとして使用されていることが窺えるものの,本願指定商品との関係において,商品の品質,原材料を表すものとして,取引上,一般に使用されている事実を発見することができなかった。 そうとすれば,本願商標は,これをその指定商品について使用しても,商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。 なお,本願は,その指定商品について,前記1のとおり補正された結果,原審において本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした商品は,全て削除されたものである。 したがって,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。