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不服2012-784 拒絶査定不服の審決

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商願2010-80943拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

1 本願商標 本願商標は、「フィックステンプレート」の文字を標準文字で表してなり、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製金具」を指定商品として、平成22年10月18日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

原査定は、「本願商標は、『フィックステンプレート』の文字よりなるところ、『フィックス』の語は、『はめ殺しのこと。固定され開閉できない状態』を意味し、『テンプレート』の語は、建築現場において、『鉄骨工事のアンカーボルト位置決め用の鋼製型板』を表す語として、普通に使用されていることよりすれば、全体として『アンカーボルト位置決め固定用のテンプレート』の意味合いを容易に認識させるにすぎないことから、これをその指定商品中、『アンカーボルト位置決め固定用のテンプレート』に使用しても、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「フィックステンプレート」の文字からなるところ、その構成各文字は、同書、同大、等間隔でまとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「フィックステンプレート」の称呼も無理なく一連に称呼できるものである。 そして、本願商標の構成中、「フィックス」の文字部分が,「固定すること。」の意味を、「テンプレート」の文字部分が、「機器の基礎ボルトの正確な位置を設定するために設けられた鋼製の形板又は形枠。」の意味を有する語(それぞれ、「広辞苑第六版」「JIS工業用語大事典第5版」)であるとしても、本願商標を構成する「フィックステンプレート」の文字が、直ちに原審説示の意味合いを認識させるものとはいい難く、むしろ、構成全体をもって、一種の造語として把握されるものである。 また、職権をもって調査しても、「フィックステンプレート」の文字が、本願指定商品との関係において、商品の品質、用途等を表すものとして、多数使用されている事実を発見することはできなかった。 そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、その商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、これをその指定商品中のいずれの商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものである。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取り消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。