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異議2012-900085 異議の決定

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登録第5460759号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

登録第5460759号商標の商標登録を維持する。

理由

1 本件商標 登録第5460759号商標(以下「本件商標」という。)は、「Vigiis」の欧文字を横書きしてなり、平成23年6月29日に登録出願、第5類「医療用のたんぱく質,医療用製剤,カプセル,医療用又は診断用の酵素及び酵素剤,食餌療法用飲料及び食品,医療用ミネラル,医療用食品添加剤,医療用飲料水添加剤,粉末状滋養強壮ドリンク剤,滋養強壮ドリンク剤,薬飴,抗アレルギー剤,抗がん剤,薬草を原材料とする薬剤,乳幼児用粉乳,乳幼児用離乳食,薬剤」、第29類「乳製品,発酵乳,ヨーグルト飲料,乳酸菌飲料,乳清,プロテイン入り乳製品,乳製品及び乳飲料,牛乳,羊乳,豆乳,玄米を使用した乳製品,凝乳,チーズ,粉乳(乳幼児用のものを除く。),野菜・果実を原材料とする食用ゼリー,薬草を主原料とした粒状・顆粒状・粉末状・液状・錠剤状又はカプセル状の加工食品 」及び第30類「コーヒー及びココア,菓子及びパン,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー」を指定商品として、同年11月16日に登録査定、平成24年1月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4098904号商標(以下「引用商標」という。)は、「VYSIS」の文字を横書きしてなり、平成6年11月8日に登録出願、第5類「化学研究に使用する、染色試薬、抗体、DNAプローブ等からなる遺伝子診断用薬剤キット,その他の染色試薬、抗体、DNAプローブ等からなる遺伝子診断用薬剤キット,その他の薬剤」を指定商品として、平成10年1月9日に設定登録され、その後、平成20年1月15日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。


(2)理由の要点

本件商標は、称呼において、引用商標に類似するものであり、指定商品中、第5類「医療用のたんぱく質,医療用製剤,医療用又は診断用の酵素及び酵素剤,医療用ミネラル,医療用食品添加剤,医療用飲料水添加剤,粉末状滋養強壮ドリンク剤,滋養強壮ドリンク剤,薬飴,抗アレルギー剤,抗がん剤,薬草を原材料とする薬剤,薬剤」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 また、本件商標は、同法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものである。


3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「Vigiis」の欧文字からなるものであるところ、構成文字に相応して「ビジース」の称呼を生じ、特定の観念を生じさせない造語からなるものである。 一方、引用商標は、「VYSIS」の欧文字からなるものであるところ、構成文字に相応して「ビシス」の称呼を生じ、特定の観念を生じさせない造語からなるものである。 しかして、本件商標と引用商標とを比較すると、両者は、その外観構成において明らかに相違するものであるから、外観上相紛れるおそれはないものである。 また、本件商標から生ずる称呼「ビジース」と引用商標から生ずる称呼「ビシス」とを対比すると、両者は、第1音「ビ」と末尾音「ス」を同じくするが、中間で「ジー」と「シ」の差異を有するものである。そして、「ジ」と「シ」自体は濁音と清音の相違ではあるけれども、前者「ビジース」にあっては、「ジ」に長音を伴うことによって、当該「ジ」部分が強調されて発音・聴取されるのに対し、後者「ビシス」の各音は平たんに発音・聴取されるものといえるから、前記差異が比較的簡素な両称呼の音感に与える影響は決して小さいとは言い難く、これらをそれぞれ一連に称呼した場合、全体としての音感が相違し、相紛れることなく判然と区別し得るものである。 さらに、本件商標と引用商標とは、観念については比較することができないものであるから、観念上相紛れるおそれはない。 してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似しないものであるから、指定商品の類否について言及するまでもなく、引用商標をもって、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできないものである。

(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について 申立人は、本件商標が第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたと申立の理由の要約に適用条文を記載するが、いずれの号についても、具体的な理由及び証拠の提示がないから、これを認めることはできないものである。

(3)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、申立てに係る指定商品についての登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。